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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2007年06月28日

「人力経営」発売日のお知らせ

先日、このブログ&HPで「人力経営」の発売日を6/29とご案内させていただきましたが、配本が少し遅れます。早い書店では7/2〜3となりますが、全ての書店で確実に購入いただけるには7/5となります。お詫びとともに、お知らせいたします。  


Posted by ヒット商品応援団 at 22:22Comments(0)新市場創造

2007年06月27日

こころで観る 

ヒット商品応援団日記No179(毎週2回更新)  2007.6.27.

北海道ミートポーク社による牛肉偽装事件を発端に、多くの「見えないことへの不安」が広がっている。犯罪心理学者の作田明氏は少年犯罪に触れて、それほど多発してはいないが、バラバラ殺人など猟奇的犯罪のために想像を超えた異常な世界が広がっていると分析をしている。日常、商品パッケージに記載されている表示を見て購入するが、その表示が偽装であったらという疑心暗鬼心理と同じである。
随分前に、「あのマクドナルドのハンバーガーの肉はミミズである」という根拠のない風説による都市伝説が流行ったことがある。勿論、根拠のないマクドナルドにとって迷惑な話であるが、マクドナルドはビーフ以外にも他の肉を使い、消費者に知らせていなかった事実があった。確かNHKが調査をしたと記憶しているが、その指摘を受けて1985年にマクドナルドは「100%ビーフ」として再スタートした経緯がある。

都市伝説の多くは、口伝え、口承によって、人から人へと伝わっていくが、単なる噂やデマに終わらないで伝説化していくのは、「もしかして」→「きっとそうだ」→「間違いない」・・・・という想像を超えた理解し難い世界に対し、受け手側に理解したいという欲求があることによって伝説化して行く。数年前、少年ジャンプの連載漫画「デスノート」(http://www.j-deathnote.com/)を真似した一種の遊びが流行っていたが、今や韓国ばかりか中国でも同様の口伝えが見られると言われている。つまり、こうした話は「ある」ものとしてではなく、「求められて」、そして「作られて」いくものとしてある。

つまり、「伝説」や「うわさ」を作っていくのは、私たちの「内なるこころ」が作らせているとも言える。見えない不安を背景に、逆に「見えること」を逆手に取った詐欺的商品も現れて来た。昨年来、キーワードとなっているデドックスを売り物にしたフットバスである。身体に病があると足裏から毒素が出て温水の色が変わるという器具である。エステ業界で流行っているが、ある意味色が変わるという「分かりやすさ」を使ったいんちき商品と言えよう。このように書くと「何」を基準にしたら良いのかという質問が来ると思う。勿論、妙薬などないが、情報の時代においては全てが公開されていることだ。経営も、工場も、勿論商品内容もである。そして、何よりも原因の一つとなる「内なるこころ」に自ら問いかける訓練をすることだ。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 14:15Comments(0)新市場創造

2007年06月24日

裏が表へ

ヒット商品応援団日記No178(毎週2回更新)  2007.6.24.

北海道ミートポーク社による牛肉偽装事件がまた起きた。牛肉コロッケは年間60万個製造しており、こうした偽装はかなり前から行われて来たと報じられた。記者の質問に答えて「混ぜれば分からない」と田中社長は答えていたが、またしても「見えない世界」における詐欺行為で一年前から内部告発されてきたことが表へと出て来た事件だ。
ちょうど同じようなタイミングで東京渋谷では、シエスパという女性専用スパで天然ガスによるものと思われる爆発があり3名の死者が出る事故があった。まだ原因は明確にはなっていないが、地下1500mからくみ上げた温泉水には天然ガスが含まれており、それらを分けるガスセパレーターが誰の目にふれない地下にあり、そこにたまったガスが爆発したと推測されている。都会のコンクリートで覆われた裏側の大自然が表へと奔出したということだ。
この2つの事件、事故に共通していることは、「安くて美味しさの裏側」に偽装・嘘があり、「便利な癒しの裏側」に大きな危険が隠されていたということである。

談合、裏金づくり、裏側で行われて来た多くの犯罪が検察あるいは内部告発、一部のジャーナリストによって表へと出て来たことは周知の通りである。こうした犯罪・事件とは異なるが、裏に潜んでいたモノや事柄が表へと出て来ている。観光ルートから少し外れた横丁・路地裏の散策ブーム、知る人ぞ知る隠れ家ブーム、裏であった賄い食が表メニューへ、地下に潜んでいたオタクは映画「電車男」やアキバ系&メイドブームによって表へと出て来た。地方の隠れた物産が人気となり、銀座の沖縄わしたショップを筆頭に売上は好調である。リニューアルオープンした新宿高島屋のデパ地下には100店もの地方銘菓が集積し人気となっている。
こうした傾向はまだまだ知らないことがあるという「未知への興味」であり、口コミといった情報によって促進される。マス消費から地域や特定希少な裏消費への転換だ。

見えているようで、実は見えていなかったとの気づきが始まった、あるいは見ないようにしてきたことへの反省と考えるべきである。誰も知らないところで細々と愚直にやってきたことが、表へと出てくるということだ。サプライズという学習を経て、外側では見えなかったことを見えるように見えるようにと想像力を働かせるように気づき始めたということである。こうした動きは「昭和回帰」「ふるさと回帰」といった回帰現象にもつながっている。見るために過去を遡り、今を考えようとしているのだ。あるいは特に地方という未知への興味も根っこのところでは一緒である。いかに知らないことが多かったかという自覚であり、自省でもある。
裏はいづれ表となる情報の時代である。そうであれば、隠し先送りするのではなく、先行して公開することが重要な時代だ。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:44Comments(0)新市場創造

2007年06月20日

人力経営

ヒット商品応援団日記No177(毎週2回更新)  2007.6.20.

人力(じんりき)経営というテーマは今回私が書いた本のタイトルである。人材は人財であり以前から言われて来た永遠のテーマであるが、情報の時代にあっては現場=人の在り方が直接経営に大きな影響及ぼし、時に倒産や廃業に向かう時代にいる。極論であるが、現場のたった一人によって経営は窮地にもなり、また逆に大きな成長にもなる時代である。バブル崩壊後、終身雇用、年功序列という旧来の人事・雇用の仕組みから、一斉に成果報酬制やストックオプションといった経済面による経営の仕組みへと移行した。しかし、多くの企業において評価の仕組みに問題を抱え機能してこなかったのは周知の通りである。

ところで丁度「人力」の象徴的なビジネスであるタクシー業界の特集がNHKで取り上げられていた。規制緩和、自由化によるタクシー台数増加にあって、タクシードライバーの収入は激減し、問題となっていたテーマである。その問題解決に対する料金の値上げ&据え置きをした長野と大分におけるその後の動向についてのレポートであった。タクシードライバーの収入アップをはかるための運賃値上げの会社は10%の顧客数を失い売上は横ばいとのこと。逆に、値上げをしない据え置きの会社は客数が増え、台数を10%増やしていくという。
タクシー業界の運賃価格は勿論認可制で、価格は事業費用に事業報酬を加えて行う総括原価方式であることに実は問題がある。今回の運賃値上げは業界保護のためで、しかし値上げすれば顧客は更に離れ、高齢者ややむおえなく使う人達だけにしわ寄せが行くだけである。古いマーケティング、ビジネス概念である台数というシェアーを押さえることが経営だと勘違いしているのである。タクシーマーケットという市場、パイは右肩上がりどころか縮小傾向にあり、供給過剰であるのに、運賃値上げを認め、結果タクシー運転手にとっても経営者にとってもパイは更に縮小しマイナスということになった。顧客を見ない、行政とタクシー会社の経営者の結果と言えよう。

「人力」というと、昨年秋一般紙に「新幹線のカリスマ販売員」として取り上げられた齋藤泉さんを思い出す。東京—山形間往復7時間に車内販売員の平均販売額8万円のところ、齋藤さんは4倍近い30万円を売り上げる。この驚異的な実績に対する秘訣について、その第一はお客様の観察力と気遣いにあると分析している。PCを使って仕事をしているお客様や寝ているお客様の横を通る時は静かに通るという。しかし、次に通るときには再チェックし、起きていれば声をかけるという。通常、片道3時間半の道中では2〜3往復するのがやっとという中で、齋藤さんは6往復する。左のポケットには10円玉と50円玉を入れ、右のポケットには100円玉と500円玉を入れて、触った感触で素早く釣り銭を渡すという工夫も編み出している。記者の質問に「特別なことはしていません。自分が逆の立場だったら何がうれしいかと考えているだけです」と答えている。
丁度この記事を読んだ後、福岡の野の葡萄の小役丸さんと会ったのだが、齋藤泉さんと同じように「当たり前」のことしかしていませんと話されていた。自分がして欲しいことをして、売り上げ増だけではなく、お客様の本当の笑顔に出会えることがうれしいとも話していた。

今回取材したのはダスキン、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船、エゴイストの5社であるが、共通していることは「人をいかに生かすか」を経営の中心に置いている企業だ。齋藤泉さんのような人財がいる企業ということである。例えば、元祖カリスマ店長として脚光を浴びたエゴイスト渡辺加奈さんについても鬼頭一弥社長にお聞きしている。是非一読いただけたら幸いである。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:08Comments(0)新市場創造

2007年06月17日

ソーシャルデザインへ     

ヒット商品応援団日記No176(毎週2回更新)  2007.6.17.

消費はその時々のライフスタイルを表しているが、その裏側にあるそれぞれの価値観の結果である。どんな価値潮流が裏側に潜んでいるのか、マーケティング、ビジネスメーカーにとって不可欠なテーマである。例えば、メガ・トレンドである健康志向もモノ不足であった昭和30年代には無かった言葉である。食べることに必死であった時代は、食べられることが唯一健康志向であった。今、健康というメガ・トレンドはどうであろうか?食事ばかりか生活のあらゆるものに健康がキーワードとなっていることは周知の通りである。そして、前々回の「ライフスタイルバランス」で書いたように行き過ぎた健康志向を始めいくつかの価値潮流の修正が始まっている。

これは私の仮説であるが、モノの充足を終えた1990年代初頭から始まった「健康」ブーム、あらゆるブームが過剰であったとの認識からバランスを取り始めていると考えている。こうしたバランスの裏側にある価値潮流の一つが、マイブームに対するパブリック、社会への視座と私は考えている。分かりやすくいうと、ゴミ屋敷のような行き過ぎた私生活主義、自分さえ良ければといった価値観、自己中心主義に対し、町の美観や安全をコミュニティで解決していこうという動きが様々なところで始まっている。その象徴例が、東京杉並の和田中学にリクルートから転身し校長となった藤原和博さんのようなソーシャルデザインの試みである。「よのなか科」でTV等でも紹介され話題となったので知っていると思うが、例えば中学校の中に「地域本部」を作る活動である。バラバラとなった住民ばかりの地域をコミュニティに変えて行こうというチャレンジである。藤原さんは「住民というのは、ただ住んでいるだけで、学校が運動会で騒いでいたりすると、匿名でうるさいと電話をかけてくるような人である。コミュニティにおける市民は、半分は自分の責任として学校にコミットメントしていく人である」という。そして、「土曜寺子屋」という塾を開き、若い人達をボランティアとして先生役を募集し、課外授業を行っている。集まったボランティアは住民ではなく、成熟したした時代の一市民としてである。

さて、そうしたらマイブームは終わるのかという質問がくると思う。勿論、マイブームはこれからも続いて行く。ただ、その「マイ」の在り方が、社会という「公」としてどうかという視座を持ち始めたということである。「マイ」を少しでも地域に役立てようという動きが出てくるということだ。チョット直接的ではあるが、夕張支援商品を流通とメーカーとが作る動きも「マイ」という次なるお気に入り商品に育つかもしれない。一方、東京豊洲のららぽ〜とに出店したキッザニアのように、本来社会がコミュニティが環境として持っていた社会学習体験を商業ベースとして補う動きも次々と生まれてくる。TV番組の「田舎に泊まろう」ではないが、疑似祖父母との生活をレンタルするようなビジネス、「ひととき家族」といった発想も生まれてくるかもしれない。ライフデザインの時代と共に、ソーシャルデザインの時代に向かうということだ。いずれにせよ、ソーシャルデザインというキーワードはこれから多く耳にすることになると思う。

少し前に「地方が面白い」と書いたが、ふるさと納税制度というハードルはあるが、地方分権は目前である。行政的には地方自治という表現になるが、私の言葉ではソーシャルデザインとなる。ビジネス視点で言うと、ソーシャルマーケティング、ソーシャルマーチャンダイジングが本格化する。今回私が出版する「人力経営」の中で取り上げた福岡県岡垣町という田舎でビジネスをされている「野の葡萄」(http://www.budounoki.co.jp/index.htm)はまさにこうしたソーシャルデザインの典型だと思う。私は「夢経営」というタイトルをつけたが、「ここにしかない田舎にしたい」と夢を語る代表の小役丸さんは素敵である。岡垣町も過疎化に悩む他の地方と同じで、農家を廃業するお年寄りが多かったと言う。野の葡萄は2001年以降集配車を始めとした仕組みを作り、現在では30戸の農家が再び畑にでるようになったと聞いている。大仰に社会貢献などと言うのではなく、ビジネスチャンスはいくらでもあるということだ。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:46Comments(0)新市場創造

2007年06月13日

脱法市場 

ヒット商品応援団日記No175(毎週2回更新)  2007.6.13.

まず、今回のテーマにも関係しますが、ヒット商品応援団からのお知らせです。「脱法」という言葉は、違法として対応する法律のないものを指します。パラダイム変化、時代の価値観がめまぐるしく変わる時代とは、その進化スピードに追いついていけない「脱法」の時代と言えるでしょう。こうした一種混乱した時代にあって、倫理、モラルと言うより、志し、夢、理想、生きざまといった経営こそが求められている。そんな言葉にふさわしい5社の経営リーダー(ダスキン、叶匠寿庵、桑野造船、野の葡萄、エゴイスト)をインタビューし、一冊の本を出版することになりました。本のタイトルは「人力経営」で、人の可能性を信じ、人をどう生かし、経営へと生かしてきたか、これが本のテーマです。経営が全て現場となった時代にあって、人力こそ最大資源・エンジンであると思い、その良きモデルとして5社に舞台へと上がってもらいました。セブンイレブンのHPであるセブンアンドアイにて先行予約が開始されたのでお知らせいたします。(表紙の画像はまだのようなのでこちらを参照してください)以下、そのアドレスです。
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=R0272163
一般書店、あるいはAmazon、楽天ブックスでの販売は、6月29日頃となります。

今、高齢社会という未知の世界の入り口で、あのコムスンの不正請求問題に端を発し、その事業の譲渡に注目が集まっている。介護はビジネスになるのか、というテーマでも語られているが、ビジネスにしなければならないと私は考えている。丁度、介護保険が実施される時で、介護のなかでも一番大変と言われているグループホーム事業に携わったことがある。少人数の認知症のお年寄りを365日24時間お世話をする施設だ。私がテーマとしたのは、訪問介護をしているヘルパーさんに対し調査をしたのだが、担当するお年寄りの約70%が不眠で悩んでいるという実態であった。高齢化に伴う身体機能の低下に伴う不眠であるが、機能回復に少しでも役に立とうと、日本を代表する快眠企業に集まってもらい共同プロジェクトを立ち上げた。詳細は書くことはできないが、大阪堺のグループホーム一号店で実施され、お年寄りのご家族に大変喜ばれた。しかし、参加メーカーにとっては即ビジネスにはならなかった。メーカーにとっては利益は一定の規模によってしか生まれないものであるが、少なくとも良き経験という未来への財産を共有することができたと思っている。

介護ビジネスは官から民への代表的なものである。利益を生み出すのは人的サービスしかなく、それも明確に基準化されており、いわば社会に対する公開経営となっている。これが原則である。私が快眠をテーマとしたのも、ワタミの渡辺社長が運営するいわゆる有料老人ホームに美味しい食事を提供しようとした意図と同じである。儲ける前に、更にお役に立とうという試みである。今回の取材先の企業の一つであるダスキンの経営理念にあるように「損と得とあらば、損の道をゆくこと」をまず実践してみることだ。その損の中から、ビジネスを継続させるための利益を得る知恵やアイディアを見出すことだ。この「人力経営」の中で取材したエゴイストの鬼頭社長は、1999年9月に渋谷109のわずか16.9坪のショップで前代未聞の月商2億8万円を達成する。その後、こんな一過性のブームでは駄目だと敢えて売上を落とすことに決断するのだが、私の言葉でいうと、エゴイストも顧客のためになる損の道を選んだのである。

パラダイム(価値観)が転換する混迷の時代には、脱法という魅惑的な市場がいくらでも見出すことが出来る。江戸時代の後期、農政&藩政の改革を果たした小田原の藩士二宮尊徳は「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という主旨、報徳思想(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B1%E5%BE%B3%E6%80%9D%E6%83%B3)を語っている。今の混迷の時代を整理するための良き視座であると思う。私が敬愛するダスキンの創業者鈴木清一は、創業の理念に「道と経済の合一」を掲げ、しかも常々「赤字は罪悪です」と語っていた。道と経済を共に果たすことが経営であり、次なるパラダイムを創造していくこととなる。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 12:07Comments(0)新市場創造

2007年06月10日

ライフスタイルバランス

ヒット商品応援団日記No174(毎週2回更新)  2007.6.10.

以前、マクドナルドのメガマックについて触れたことがあるが、第二弾としてメガてりやきバーガーを発売するという。また、2001年に撤退したバーガーキングが東京西新宿に再上陸し、ワッパーという大きなバーガーが人気となっている。特に、学生や若いサラリーマンに人気で「ガツン系」として注目が集まっている。価格も安く、しかもメガてりやきは903Kcal、ワッパーも単品だと670Kcalで挟むパティの枚数を多くすれば成人の一日の摂取カロリー1800Kcalにもなるという。従来の「お得」が価格だけであったのに対し、量におけるお得がガツン系として舞台へと上がって来た。既に昨年から、丼ブームがあったり、カツカレーやラーメンの特=得盛りが話題となっていたが、ここへきてガツン系に注目が集まっている。

今から十数年前、モノの欠乏時代を終え、豊かさと引き換えに高カロリー=成人病が押し寄せて来た。若い女性を中心に健康志向、ヘルシー、ダイエットなものへと一斉に変化してきた。粗食のすすめが言われ、プチ断食や寒天ダイエットがブームになり、一昨年にはダイエットを目的としたサプリメント依存症まで現れて来た。勿論、今なおこの傾向は続いてはいる。野菜ケーキには相変わらず多くの女性達が行列しており、商品選択の際には添加物の有無と共にカロリー表示は必ず見て購入している。
ガツン系VSヘルシー系のようにマスコミは報じているが、一種のヘルシー系へのリバウンドのようなものだ。確か数年前の米国での調査データであったと思うが、カロリーなど気にしないで好きなものを食べると回答した人は十数パーセント存在している。ある意味健康志向へのアンチマーケットとして見ていくことも必要である。その証ではないが、撤退し今回再上陸したバーガーキングは3年で50店舗を出店するという。ガツン系マーケットとはその程度の小さな市場規模ということだ。

時代の潮流を見ていく時に必要なことは、その商品や業態は一過性のブームであるかどうか、継続した価値潮流のものであるかどうかという視座である。例えば、いま「洋」に寄ってしまったライフスタイルから「和」のライフスタイルへの撚り戻しが進行している。地方の廃屋を改造し自給自足の生活をする人も出て来てはいるが、多くの人はウイークエンドリゾートとしての「田舎暮らし」である。この「和」への潮流も一つのライフスタイルバランスとして見ていく必要があるということだ。但し、この潮流は、ガツン系のような小さなものではないメガ潮流だということだ。
今回のガツン系への注目も、あまりにもヘルシー系へと寄り過ぎたことへのやじろべえのようなバランス作用として見ていくことが必要だ。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:47Comments(0)新市場創造

2007年06月06日

セルフ式

ヒット商品応援団日記No173(毎週2回更新)  2007.6.6.

5〜6年前に歯ブラシやお箸など日常使う商品を自分のお気に入り商品とした「マイブーム」が起きた。以降、マイ○○、マイ××といった具合に商品が広がって来た。今、こうしたお気に入りとは少し異なるセルフ式が注目されている。最近の注目商品が日本実業出版社から3月中旬に発売された「聴診器ブック」だ。本を買うと聴診器がついてくるという面白さもあって既に4万部売れていると言う。この聴診器は医者や看護士が使っているものと同じで価格も2415円と買いやすいものとなっている。従来、プロ、専門家だけが使用していた世界に、受け手側が自ら使う商品化が進んでいる。

勿論、以前から料理道具はプロ仕様になり、楽器やカメラなどもプロ仕様であった。今、家庭菜園がブームとなっているが、こうした菜園作業もプロ農家と同じように土壌改良といったことも起きてくると思う。あるいはプロによる狭い分野の商品、調香師やお茶のブレンドといった世界までセルフ式が流行るかもしれない。既に、ファッションにおいても「手作り」が静かなブームになっていたり、ログハウスなんかも設計から実際の建築まで手作りログハウスが出て来ている。こうしたセルフ式には単なるお気に入りを超えた、知的興味によるところのものが多く見られる。ある意味、豊かさはこうした「知的興味心」を満足させる世界の商品化へと向かっている。

従来、こうしたプロ志向、専門家志向は資格というキャリアアップや就職のためであったが、知的興味を満足させるものへと変わって来ている。自分で行うという合理性、コストパフォーマンス性、自分仕様といったこともあるが、それ以上に知的興味を満足させる商品と言えよう。いや、逆に従来の発想とは正反対のところにあるアイディアである。聴診器を売るのではなく、本を売るために聴診器をつけたかのようなユニークさに惹かれるのだ。そして、医者はどのように聴診器を当て、心音を聞き、異常の有無を見出すのか、そうした興味が根底にあるということだ。「素人の生兵法は怪我のもと」という言葉があるが、プロがプロとして機能していない現実もあり、こと安心・安全については自衛の意味を踏まえたセルフ式が増加していくであろう。いわゆるセルフドクターである。

昨年のヒット商品である任天堂DSも知的興味を満足させるものであったが、脳科学といった未知への興味、あるいは生命の不思議さや未体験について新たな市場が生まれている。つまり、専門分野はプロに任せてといった発想を変えなければならないということだ。そのキーワードは「未知への体験」と思う。昨年の秋、東京豊洲にオープンしたららぽ〜とにキッザニアが出店し、行列ができた。キッザニアの対象は子供で「社会体験」「職業体験」であったが、大人の「未知なる体験」市場もまた生まれて来ているということだ。セルフ式、それは「大学習時代」におけるキーワードであると思う。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:37Comments(0)新市場創造

2007年06月03日

間(ま)の時代

ヒット商品応援団日記No172(毎週2回更新)  2007.6.3.

間(ま)という言葉には多くの考えを誘発させるものがある。人と人の間だから「人間」。時と時の間だから「時間」。空と空の間だから「空間」。更に言えば、テーマをことばに置き換えて言えば、言葉と言葉との間、行間ということになるだろう。ここ数年、Jpopで芽を出した平井堅や森山直太朗といった言葉を生かした独唱人気も当てはまるかもしれない。齋藤孝さんのベストセラー「声に出して読みたい日本語」における暗誦・朗誦文化も当てはまる。間をリズム、テンポに置き換えてもいいし、日本人が創造した感性の一つだと思う。

つまり「今」という時代はあらゆることにおいて、「境目」が無くなっているということである。その一番大きいのが「時間」である。四季はほとんど感じること無く、24時間化という言葉の如く、夜もまた昼のように明るい。最近のデータを確認はしていないが、従来TV視聴率が低かった深夜時間帯は8時台のゴールデンタイムと言われた視聴率に迫る番組も出て来ている。同様に、早朝という時間帯も活動は活発である。働き方、働く時間帯、更には総労働時間も変わってきているのだ。そうした背景にあって、間が極めて重要なものとなってきている。気分転換、癒し、そのために一呼吸置いて、一拍置いて、といったことが不可欠になったということだ。
飲みニケーションを始め、好きなスポーツや趣味に興じることが盛んなのは、無くなった境目を意識的に作ろうということである。最近の、バラエティ番組、お笑い番組が多くなったのも、「笑う」ことによって気持ちを転換したいからである。

この間はお気づきのように和の世界につながるものであるが、日本の芸能は全てこの間を土台に固有な文化となっていることは周知の通りである。和歌から始まり、能、狂言、歌舞伎、相撲、川柳、落語、・・・伝統芸能と言われているもの全て間の美学といってもよい。私は建築家ではないので分からないが、茶室のもつ空間の美学、禅語の「無一物中無尽蔵」という「引き算の美学」は間のかたちづくりであったと思う。京都町家や古民家ブームばかりか、単なるインテリアを超えて一般住宅の中にまで取り入れ始めている。

よりビジネス現場でいうと、間は「サービス」の原則そのものである。即対応、クイックレスポンスだけがサービスではない。懐石料理ではないが、顧客がどのように楽しんでいるかを考えながら、暖かい物は暖かいうちに、冷たい物は冷たいうちに食べてもらう、見事な間がある。間という時間はサービスの原則となっている。今、ビュッフェスタイルが人気となっているのは、好きな物をちょっとづつということとともに、顧客の食の取り方という間を顧客にまかせているからである。押し付けがましく、どんどん出されるレストランほど嫌なところはない。サービス価値とは、心地よい間を提供することに他ならない。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:39Comments(0)新市場創造