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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2014年04月20日

新たなデフレ商品・業態の芽 

ヒット商品応援団日記No577(毎週更新)  2014.4.20.

消費増税後3週間が経過した。マスメディアは駈け込み需要の激しかった百貨店の売り上げは落ちたものの、スーパーや外食産業はそれほどの落ち込みは見られないと報じた。後者の業態は日常利用業態で、前者の百貨店はお気に入り商品の販売業態であり、至極当たり前のことで何も報じていないに等しい。実はほとんどの流通業態は継続利用してもらうために「価格据え置き(=実質値下げ)」や「PB商品などの価格オフプロモーション」、あるいはポイント倍増などのプロモーションを実施した結果である。また、駈け込み需要の筆頭であったTVやデジカメなどは前年対比30%前後の落ち込みとのことだが、これも3月駈け込みの反動であり、至極当然の結果である。販売する側も、利用する消費者の側も、今はある意味互いに様子を見合っている状態であると見るべきだ。

この3週間ほど消費に関する注視すべき点がいくつか出てきている。その一つがイオンを始め家電量販のビッグカメラなどによる低価格スマホの販売である。大手主要3社のスマホ利用金額がほぼ月額8000円前後であるのに対し、イオンは月額2980円(限定4000台)、ビッグカメラは更に安い月額2830円(限定1000台)、更にヨドバシカメラも同じような価格にて参入するという。
スマートフォンはその多様な機能を凝縮させた便利さによって急速に普及し、しかも電話番号を変えずに他社のスマホに乗り換えることができることから、3社間での乗り換えプロモーションが実施されてきた。こうしたスマホ市場を牽引してきたのがiPhoonであったが、iPhoon5の売り上げは伸び悩み、9月に予定されているiPhoon6がどの程度普及する分からないが、航空旅客市場におけるLCCと同様に、更に言うならば外国船籍による格安近場クルージングのように、スマホ市場も2つの市場選択肢を持つことへと移行すると予測される。

前々回のブログに余暇の過ごし方に注視すべきと書いた。自由時間には「お金と時間」の使い方が他の消費を象徴するものとして現れているからである。その余暇の過ごし方であるが、今年のゴールデンウイークの旅行動向がJTBから発表された。今年のゴールデンウイークは連続した長期間の休みが取りづらい休日となっていることもあるが、総旅行人数は2243万6000人(前年比3.8%減)、その内海外47万4000人(11.4%減)、国内2196.2万人(3.6%減)で旅行への消費金額も-7.2%になると予測している。こうした状況を裏付けるようにJR東日本の「えきねっと」の指定席予約状況(4/19現在)を見ると、そのほとんどが「残席あり」となっている。
JTBもコメントしているように、旅行自体を止めることはないが、消費金額は節約傾向にあると。もっと分かりやすく言うならば、ケチケチ旅行になり、消費移動=お金の使い方が変わるということである。また、旅行以外の生活全般についても調査しており、所得が上がった場合の使い道も、貯金が43.8%と最多で、国内旅行が37.2%で2位、海外旅行が27.0%で3位となったと。先行き不透明、様子見ということである。

ところで「わけあり」というキーワードはデフレ現象を象徴したものであった。昨年後半にはあまり使われることが少なくなっていたが、消費増税はこのキーワードを復活させただけでなく、あらゆる市場にLCC的市場化が進み、2極化、場合によっては多極化市場が生まれている。数年前からの「ワンコインランチ」や「デカ盛り・メガ盛り」が話題となり行列ができるだけでなく、その裾野は広がり社員食堂、学生食堂、あるいは区役所や図書館といった公共施設の食堂が大人気となっている。また、「食べ放題」も納豆や明太子を始め、品川エキュートの「バルマルシェコダマ」では生ハムやソーセージなどが600円で食べ放題の朝食ビュッフェが人気となっている。
更には「立ち食い」スタイルの先鞭として成功させた「俺のフレンチ」に続けとばかりに、このスタイルの飲食店が続々と生まれている。その代表例が立ち食いステーキの「いきなり!ステーキ」で「肉1g当り10円」とし好きな量をカットして焼いてくれる。通常の半額ほどとなり、銀座店では1日約500人、売り上げは約100万円とのこと。また、今後の展開を待たなければならないが、昨年10月にはあの吉野家が「500円ピザ」という格安業態店を出店している。つまり、新たなデフレ業態が生まれてきたということだ。

こうした試みは、円安による原材料高、エネルギーコスト高での価格戦略で、従来通りのやり方では不可能である。何かを生かすために何かを捨てる、あるいはリスクを負うビジネスである。そして、顧客の側もそうした「事情」を分かった上での選択となる。未来塾でテーマとして取り上げてみたいと思うが、東京においてもシャッター通り化している商店街もあるが、元気な商店街もある。そのなかでも江東区の「砂町銀座商店街」は優れたマーチャンダイジング&マーケティングを行っている。10日、20日、30日、0(ゼロ)のつく日を「ばか値市」とし、更にワンコイン(100円と500円)の売り出し。東京に住んでいても行くにはチョット二の足を踏む商店街である。というのも西大島駅と南砂町駅のほぼ中間にあり交通の便は悪く、行くには都バスしかない。しかし、そんな不便な場所にも関わらず、「ばか値市」には多くの来街者で通りが埋め尽くされる。勿論、価格は安いのだが、昔ながらの商店のおばさん、おじさんがいる。そんな「昭和の懐かしさ観光」も魅力の一つとなっている。
そうしたことを含め、消費増税を超える新しい試みが出始めている。以前、消費増税の壁を超えるには新たな仕組みなどとともに、今まで培ってきた顧客関係の成績表が反映するとブログに書いたことがあった。そして、良き成績表の店はそれ以上に顧客が集まるとも。つまり、評判は更に評判を求める顧客を呼び、結果集中現象となって現れるということである。裏返せば、売れない店は更に売れなくなるということだ。(続く)
  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:53Comments(0)新市場創造