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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2010年08月12日

消費の風景、安定したデフレのなかで 

ヒット商品応援団日記No473(毎週2回更新)   2010.8.12.

6月6日以降2ヶ月間、ブログの更新が途絶えてしまった。この理由は私自身の健康問題に依るが、そう振り返って考えると健康が問題となった5月以降ブログを書くことに集中出来ないことが多かったように思える。このブログも7年目を迎えたが、こうした中断という休憩があるのも良いのではと勝手に思ったりもするが、6年もブログを書いているとブックマークをしてくれている固定読者も5割を超えており、まずはお詫びをさせていただき、再開したいと思う。

面白いことに更新が途絶えたにも関わらず、アクセス数はせいぜい40%程度減ったに留まっている。恐らく、このブログが消費トレンドの変化を追い続けるだけでなく、何故その変化が起きたのかというマーケティングの基本に言及し、キーワード化してきたからであると若干の自負を込めて理解している。つまり、キーワードバンクとして活用できるという意味である。
というのも、周知のようにマーケティング本やビジネス書という「現実の先」を照らす書籍、Pドラッカーのような書籍しか売れてはいない。生半可なマーケティング本やビジネス書はとっくの昔に「現実」が追い越してしまっているからである。せいぜい、後追いで成功や失敗の要因を確認するだけになっている。つまり、学習すべきは現実、現場にあり、私のブログもそうした内容になっている筈だ。健康問題によって一時期とはいえ現場を離れることは現実のリアリティ感が損なわれていることだと自戒している。

人と会い、街を歩き、店頭の変化に目を注ぐ、そんな消費現場から得られた空気感についてこれからも書いていくつもりである。
その最初のテーマであるが、長く続いた巣ごもり生活にもいくつかの変化が出てきている。それらを「明るさの予感」とか「足るを遊ぶ」、あるいは消費の原則である「ライブ感」に戻ろうといったキーワードで巣ごもり消費について書いてきた。わけありブームは既に終わり消費の底は打ったが、そこからどんな新しい消費が作られて来るか、そんな段階であるとの認識である。こうした消費の現況、それら消費に対応する企業との関係を「安定したデフレ」と呼んでみた。デフレなどは安定・継続して欲しくはないが、奇妙なことにこうした状態が続いている。

今回の参院選挙の争点の一つに消費税の引き上げがあった。その是非についてはここでは論議しないが、争点の提起者である菅首相は、消費税率引き上げの目的として「日本がギリシャのようにならないこと」を挙げている。つまり、財政、国の借金についてであるが、まるでギリシャのようになるかもしれないという事例を挙げての提起であったが、国への信用という視点においては、日本の長期金利はむしろ低下し、円はユーロだけでなくドルに対しても高くなった。しかも、その後の米国景気への不安から更なる円高へと推移しているのは周知の通りである。勿論、借金は減らさなければならないが、つまり、日本への市場の信用は変わらず高いという評価となっている。安定したデフレ状態においては、低金利ではあっても預金へとお金は流れる。今年の夏のボーナスもこうした傾向を顕著に見せていた。財政再建=消費税引き上げという課題より前に、政治がすべきはこのデフレ対策、特に消費においては資産デフレへのそれと日本のこれからの産業構造転換のビジョンを提示することであろう。また、金融危機の更なる拡大があるとすれば、ギリシャを含めたユーロにおける破綻への負担をドイツが中心となって引き受けているが、そうした負担引き受けをドイツ国民が拒否し、昔のマルクに戻るようなことになった場合、(そうしたことにはならないと思っているが)リーマンショックどころではない破滅へと向かう巨大なユーロショックが起きる。

ところでタイトルの「安定したデフレ」という言葉であるが、よくよく考えれば奇妙な状態を表している言葉である。世界基調となっているこの安定したデフレ状態を巧く経営しているのがユニクロであり、マクドナルドであり、ニトリであり、ABCマートであり、宝島社でもあり・・・・・・・最近では300円未満のメニュー戦略を採っている多くの居酒屋チェーンも加わるであろう。
そして、この猛暑対策関連商品が飛ぶように売れている。エアコン、ビール系飲料やポカリスエット等飲料、日傘、しかも今なお夏物ウエアが売れ続けている。しかし、これら商品は異常気象によるもので、通年ならばエアコンを必要としない北海道で売れに売れていると聞く。豊かさ消費というより、熱中症予防といった生存に必要な商品と言った方が的確な奇妙な消費である。
ちょうど今日からお盆の帰省ラッシュが始まった。異常気象と同じように、異常渋滞が予測されている。しかし、カー用品や東急ハンズといった専門店では簡易トイレを始めとした渋滞グッズがこれも飛ぶように売れている。安定したデフレ経済のなかで、奇妙な消費風景が広がっている。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 10:52Comments(0)新市場創造