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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2007年10月14日

小の発想法

ヒット商品応援団日記No210(毎週2回更新)  2007.10.14.

「小」の時代であるとは私の持論で、このブログでも「小の経済単位」について数多く書いて来た。小さなモノ、小さな時間、小さな価格、小さなテーマ、こうした経済単位の変化の背景には、社会の単位が家族から個人へと変化してきたことにある。マイルーム(個室)から始まり、個性、個食、プチブーム、隠れ家という一人時間、お一人様歓迎のヒトリッチ、小単位での株の売買取引まで、ヒットしたキーワードの多くは「小」であった。そして、この行き過ぎた反動、揺り戻しも始まっている。「大」への揺り戻しで、小食からガツン系といった食もそうであるし、個人から家族単位への揺り戻しも出て来ている。

この小という発想は、あれもあるこれもあるではなく、削ぎ落とし、なお削ぎ落とし、残るもの、本質に迫る発想である。それは選択と集中、あるいは本業回帰、といった表現にもつながるが、あらゆるビジネス発想をするときの原点だと思っている。
この小という発想から、振り子消費における中心点は何か、和ブームの中心は、あるいは素の価値を再考すべきではといった発想も出てくる。今、市場の中心点はどこかと言えば、それは東京市場である。東京の中の中心点はどこかと言えば、東京駅周辺から有楽町・銀座というエリアである。それはモノの集積ということだけでなく、世界の情報とサービスが手に入るエリアという意味だ。勿論、エリアにも個性が生まれ、東京駅周辺は金融の中心点を目指し、六本木周辺はアート&デザインという個性の中心点を目指している。そして、今なお渋谷は若いティーンの子達にとって遊びの中心点となっている。日常生活圏という視点に立つと、中心点は駅となる。こうした背景から、JR東日本の駅中やエキュートが生まれて来ている。つまり、各々のエリアは一つの極点を目指して競争しているということだ。
また、流通の中心点はどこかというテーマでここ数年間百貨店を筆頭に統合再編が進行し、個別に見ていけば本店となる。勿論、どんな顧客を特定するかによるが、流通は狙いとする顧客市場とテーマの中心点を目指し競争中ということだ。郊外型と言われて来た家電量販のヤマダ電器が池袋に出店してきたのも、文字通りNO1となるためだ。

この中心点は何かを見極めるために、揺れ動く心理市場について書いて来た。マーケティングとしていうと、どんな代表商品をもって、どんな代表顧客に対し、どんな代表テーマあるいは代表メッセージをもって市場創造していくかである。この数年、過剰な情報の世界にあって、メッセージをいかに届かせるかが課題となり、バイラルマーケティングを始めサプライズ手法が盛んであった。しかし、その学習体験と思うが揺り戻しが始まっており、最早誰も驚かなくなってきた。むしろ、無音、間、そこはかとなさ、雰囲気、品位、らしさ、印象、こうした小さな何かが逆に伝わる時代へと向かっているように思える。店頭は分かりやすさとばかりに価格は大きく強く、これでもかとメッセージ化されている。価格は重要なメッセージであるが、たった一人の顧客に向かう送り手が見えるメッセージ、本気の一言が伝わる時代だ。つまり、理屈っぽくなるが、顧客関係の中心点に何を置くかということである。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:48│Comments(0)新市場創造
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