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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2007年11月28日

つなぐ力

ヒット商品応援団日記No222(毎週2回更新)  2007.11.28.

私は「つなぐ」という言葉をよく使う。人と人とをつなぐとか、過去・現在・未来をつなぐとか、あるいはテーマでいうと好きなテーマをつないで進化させていくとか、場でいうと異なる場と場をつないで界隈性・回遊性を創っていくといった具合に。つなぐの反対は分断、バラバラということである。人でいうと、家族ですら個人毎の一人鍋が流行る時代となり、私はそんな家族を「個族」と呼んでみたりした。いずれにせよ、機能と合理という時代の分断物差しを中心とした社会があり、その負の部分を解決するための再編、再創造が求められている。その力を「つなぐ力」と私は呼んでいる。

先日、鳥取へアンテナショップの部会に行った折、多摩大学大学院教授の望月照彦さんと会食する機会があった。鳥取と島根にまたがる中海という自然豊かな場所があり、その地域をコアに置いた地域社会再生への次世代モデルをテーマにした講演の後であった。自ずと地域の再生はどうあるべきかの論議になったのだが、望月さん曰く、「本当に地方は貧しいのだろうか?」と問う。私は「経済において格差はあるが、こころの豊かさ、都市が失ってしまった心性世界は残されている」と答え、ローカルスタンダードという新しい価値、物差しを確立すべきとの考えで共感した。そして、望月さんはそのローカルスタンダードを進めていくために「縁」というキーワードを話されていた。意味深いキーワードでここでは簡単にいうと、従来の二項対立であった、大企業と中小企業、産業と生活、文明と文化、自然と人工、こうしたものを「つないでいく」試みのキーワードとして使われていた。(このテーマは順次私見を書いていくつもりである)

ところで、この「つなぐ力」「つないでいく何か」は私自身も模索しているテーマである。好きでよく沖縄にいくのだが、那覇の国際通りを歩く度に何故こんなにつまらない街なんだろうと思う。金太郎あめのような同じ土産物屋ばかりで何回も歩きたいと思う街ではない。しかし、その国際通りと久茂地川の間に久茂地小学校があり、その周辺を歩くのが私のお気に入りである。ハイビスカスが2階まで伸びた建物も多く、ああ沖縄だなと行く度に思う場所である。その中の一軒に「壽山」というカフェがある。建物一面ハイビスカスに覆われ、くぐり抜けるようにして入って行くオシャレなカフェである。既に、那覇は分断された街そのものとなっている。歩きたい街、回遊性のある街、常に新たな発見のある街、こうした街全体としてのつながりが見られない。これは私見であるが、那覇という観光客が必ず行く街、沖縄を象徴する玄関である街全体をつないでいく一つに、ハイビスカスやがじゅまるの木といった自然が大きな役割を果たしてくれるのではと思っている。まず、国際通りをハイビスカスで飾り、がじゅまるの木陰で休める場所を作ることだ。

先日新聞記者をしている京都の友人からメールが届いた。京都府綾部市と福井県おおい町、小浜市とが進めている「広域観光交流」の視察に参加するという内容であった。鳥取、島根もそうであるが、異なる地域をつなげて独自な魅力を創り、観光を促進させようという最近よくある地域起こしの試みだ。そうした着眼、アイディアは正解であると思う。ただ、つなぐものは何かというと、「日本海の食」であるという。これではつなぐ意味合いは半減し、魅力となり得ないと私は思っている。秋田と新潟、新潟と富山、隣接する地域が県をまたいで行うことだけで、新しい価値創造とはなりえないように思える。また、「つなぐ力」はやはり人だと思っている。望月さんが提唱している「縁」ネットワークの第一は人によるもので、よく街おこしで言われている若者、馬鹿者、よそ者の3者が集まって力となる。私が「人力経営」という本を書いたのもこうした理由からでもあった。そして、つないでいくものは何か、志し、ポリシー、ビジョンであり、新たなローカルスタンダードという価値創造だと思う。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:58│Comments(0)新市場創造
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