さぽろぐ

ビジネス  |札幌市中央区

ログインヘルプ


インフォメーション


QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2021年11月23日

まだら模様の街・大阪 

ヒット商品応援団日記No799毎週更新) 2021.11.23

まだら模様の街・大阪 


2年ぶりに大阪の街を歩いてきた。コロナ禍以前と比較し衰退どころか活況を見せている店や街とコロナ禍が鎮静化しても以前の賑わいを取り戻せない店や街、3日間という短い期間ではあったが大阪の友人と共に歩いたレポートである。
まず道頓堀の街、特に南側の法善寺横丁界隈を歩いた。4年前も何回となく歩いたが、当時はインバウンドビジネス、もっと端的に言うならば、中国をはじめとした外国人観光客で溢れかえった街である。飲食店だけでなく、関空と難波を結ぶ南海電車の運賃収入が対前年比130%を超えるほどであった。そして、訪日観光客の足は黒門市場にも及び、賑わいというより、混雑で歩きにくいそんな状態であった。
そんな街であったが、訪日外国人の姿はほとんど目にすることはなかった。戎橋の撮影スポットで写真を撮る日本人の若い世代はいるものの、それも以前とはくらべようもない少なさであった。友人の話であるが、ここ数年キタ(梅田周辺)の開発が進み賑わいのある街となっているが、ミナミ(難波周辺)はほとんど変化はないとのこと。道頓堀はまだ人通りはあるが、路地に一歩入ると、ほとんど人のいない街となっていた。そんな法善寺横丁近くの鍬焼きを食べさせる店に3年ぶりに入ったが、6時半にもかかわらず私一人であった。1時間ほどしてサラリーマン風の二人連れ客が来店したが、店は閑散としたままであった。女将さんに話を聞いたが、緊急事態宣言が解除しても以前のような賑わいがない街になってしまったと。周辺には何軒かシャッターの降りた空き店舗について聞いたが、中国の投資家が物件を買い漁っているとの話であった。

まだら模様の街・大阪 


一方、翌日は梅田の駅前ビル、その地下街の飲食店で食事をした。冒頭の写真がその居酒屋であるが、6時半ほどからの飲食であったが、7時過ぎには写真のような漢籍状態となっていた。友人の話ではコロナ禍の最中であったが、通りを隔てた空き物件を取得し繁盛しているとのこと。この一等地である駅前ビルの地下食堂街でもシャッター通りとなっているところが数カ所あり、前日の法善寺横丁界隈の空き店舗状態と変わらない光景がそこにはあった。キタとミナミという街の違いよりも、活況と衰退、いわば明暗、まだら模様のような街へと変貌しているということであった。
その理由であるが、キタの駅前ビルの地下飲食店街で活況を見せている居酒屋にそのヒントの一つがあった。2年前に訪れた時もそうであったが、なかなか美味しい料理を出す店であったが、最初に出された「突き出し」に驚かされた。それは3切れではあったが、中トロのマグロであった。勿論、味は申し分なく美味しかったが、全体として「クオリティ」が高くなった感がした。コロナ禍という苦境を乗り越えるには従来通りのやり方では顧客を取り戻せないということであろう。
また、活況を見せる店にはもう一つの理由があることがわかる。コロナ禍以前、3年ほど前になると思うが、大阪駅ビルにおける三越伊勢丹の撤退それに伴うニューアルした商業施設ルクアイーレについてである。覚えていらるだろうか、特にルクアイーレ地下の飲食街バルチカで行列ができた2店について。名物洋風おでんとワインが楽しめる店「赤白」と海鮮が安いだけの店「魚屋スタンド ふじ子」である。共に「安さ」を楽しめる店であるが、顧客層は異なるが、その安さがライフスタイルを定着させている点にある。デフレ時代の成功事例として、100円ショップから始まり、ユニクロ・gu、ニトリ、アウトレット、訳あり商品群、・・・・・・・・飲食業界もデフレは無縁ではない。しかも、メニューにおけるクオリティアップを踏まえた「スタンダード」が求められているということであろう。コロナ禍以前の価格・メニューでは顧客を取り戻せないということだ。そして、思い切って従来のスタンダード、常識を変えることができた店は逆に成長できる時代を迎えたということである。ちょうど米国ア・リーグのMVPに大谷小片が満票で選ばれたとうに、つまりそれまでの常識を変えることができるかどうかである。

また、阪神百貨店の地下にあった立ち食いのフードコートがリニューアルしたとのことで観てきた。イカ焼きという名物メニューで大阪の人間であれば知らない人はいないちょい飲み・立ち食いスナックパークであるが、その4店が別の場所に移設してしまった。移設は本館の建て替えのためであるとのことだが、移設した場所には徒歩5分ほどかかり、以前のような大阪らしい一種の猥雑さがまるでない、極めてつまらないスナックパークとなっていた、午前中ということもあって閑散としていたが、名物イカ焼きだけには行列ができていたが、なんとも言えない感慨を持った。それは感染拡大の感染源の一つとして指摘されたフードコートのリニューアルであり、「密」を避けるために各店が間仕切りされた店作りとなっている。しかし、もう少し蜜を裂けながらも気軽に立ち食いできる雰囲気ができたはずである。これもまたコロナ禍によってつくられた否応のない「現実」なのであろう。
実は一箇所観ておきたい商業施設があった。それは3月にリニューアルオープンした心斎橋パルコの心斎橋ネオン食堂街で東京渋谷のパルコと同じレトロ・横丁コンセプトによるテーマパークである。3年前に大阪空堀の人気店「その田」が出店しているとのことで時間があればどんなMD編集をしているかを実感したかったが次回とした。というのも東京渋谷パルコのMDは失敗したと思うが、大阪の場合は「その田」をはじめ「赤白」「魚屋スタンド」「立呑み処 七津屋」など以前取り上げた店が出店していることからある程度わかっているので、ただ若い世代の賑わい・人出を観てみたかったというのが本音であった。

今回大阪の街を歩いて感じたことは、活況を見せる店と衰退・閉店した店とがまだら模様のように偏在している光景であった。こうしたまだら模様と化した街は2008年のリーマンショック後のデフレの大波が押し寄せたヒット商品群の光景を思い出した。2009年のヒット商品には激安ジーンズが西の横綱にランクされ、規格外商品(訳あり商品)」が本格的に広く市場化した年であった。勿論、デフレ経済は今なお続いており、生活者のライフスタイルに定着しているのだが、今回のコロナ禍によって否応なく勝者と敗者が生まれたという印象であった。東京においても更に「安い」価格で勝負に出てきた飲食店があるが、顧客を呼び戻すには一つの方法であろう。今までの消費心理は京都に残る生活の知恵、ハレの日とケの日の生活価値観によく似ていた。ケの日、つまり普段は「始末」して暮らし、ハレの日はパッと華やかに。そうしたメリハリのある生活習慣が、食=台所に深く浸透している。「しまつ」とは単なる節約ではなく、モノの効用として使い切ること、生かし切ることである。今風で言うならばコストパフォーマンスという意味で、コスパ型ライフスタイルと言っても間違いではない。このコスパライフスタイルがまだら模様の街を創っている。特にそのパフォーマンスが一段とクオリティアップしているということである。ハレの日への切り替えはまだまだ先ということだ。ちなみに2009年以降3年間ののヒット商品版付は以下の通りである。
2009年
東横綱 エコカー、 西横綱 激安ジーンズ
東大関 フリー、    西大関 LED
東関脇 規格外野菜、西関脇 餃子の王将
東小結 下取り、   西小結 ツィッター
2010年
東横綱 スマートフォン、 西横綱 羽田空港
東大関 エコポイント、    西大関 3D
東関脇 猛暑特需、西関脇 LED電球
東小結 200円台牛丼、   西小結 坂本龍馬
2011年
東横綱 アップル、 西横綱 節電商品
東大関 アンドロイド端末、    西大関 なでしこジャパン
東関脇 フェイスブック、西関脇 有楽町(ルミネ&阪急メンズ館)
東小結 ミラーイース&デミオ、   西小結 九州新幹線&JR博多シティ

こうしたデフレの進行と共に外食産業ではある意味大きな事件が起きたことを思い出す。その一つがファミリーレストランである。1970年代ホテル並みの料理&サービスを手の届く価格で提供するという業態は、すかいらーくを先頭に全国へと広がった。その後、多様な外食産業、特に回転寿司などとの競争のなかで、リーマンショック後不採算店をスクラップしてきた。すかいらーく500店、デニーズ200店、ロイヤルホスト100店大手3社で800店が撤退する。
そして、このデフレの波を乗り越えたのが新規メニューの導入で、私が今回大阪で感じた「クオリティアップ」であった。デニーズやロイヤルホストは初めて2000円台のステーキメニューを出し、顧客単価も1000円台にまで戻し本来の安定経営を行なっている。これも、顧客需要に見合った規模へと再編・縮小した結果ということだ。
東京をはじめとした外食チェーンの動向については把握してはいないが、撤退縮小が進んでいるとのニュースは届いてはいる。「食べに出かける」という強い動機付が必要となっているということである。大きなパフォーマンスは必要ないが、例えば「突き出し」の事例ではないが、小さな驚きが求められているということだ。大阪の場合、アルコール離れ世代と言われてきた若い世代が飲食の現場に戻ってきており、街再編という消費の主役になっていた。
次回の未来塾ではもう少し俯瞰的にコロナ禍によって露わになった日本の「今」を分析し、何が課題となっているかをレポートしていくつもりである。(続く)


あなたにおススメの記事

タグ :コロナ禍

同じカテゴリー(新市場創造)の記事画像
未来塾(44) 下山から見える風景 後半  
未来塾(44) 下山から見える風景 前半  
「季節」から始まる日常   
新たな戦い方が始まった 
問われているのは、新たな戦い方 
2021年の夏 
同じカテゴリー(新市場創造)の記事
 未来塾(44) 下山から見える風景 後半   (2021-10-10 10:47)
 未来塾(44) 下山から見える風景 前半   (2021-10-08 14:06)
 「季節」から始まる日常    (2021-09-26 12:59)
 新たな戦い方が始まった  (2021-09-02 13:28)
 問われているのは、新たな戦い方  (2021-08-17 13:13)
 2021年の夏  (2021-08-03 13:09)

Posted by ヒット商品応援団 at 13:33│Comments(0)新市場創造
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
まだら模様の街・大阪 
    コメント(0)