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「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2018年12月03日

未来塾(35)「賑わい再考」(1)中

ヒット商品応援団日記No725(毎週更新) 2018.12.3.

古民家再生の事例研究の2回目はは大阪の中心梅田裏北西方向に15分ほど歩いた中崎町についてのレポートである。前回の空掘とは同じ古民家再生でもお使ったビジネスであるが、少し異なる面白い試みが見られた。




消費税10%時代の迎え方(4)

にぎわい再考 中

その良き事例から学ぶ(2)

大阪空掘(からほり)・梅田裏中崎町、
小さなにぎわいが新たな街を創る


レトロな街のカフェパーク中崎町

中崎町と言っても空掘同様大阪人以外では知る人は少ないかと思う。私の言葉で言うと、大阪の中心梅田裏、梅田北側の繁華街・茶屋町を10分ほど歩いた古い民家が密集したところである。今から16年前、その茶屋町に34階建のホテル阪急インターナショナルがオープンしたが、この時期から茶屋町一帯は多くの高層ビル群となった。大都市の成長はとどまるところを知らないといってしまえばそれまでだが、東京でも中央区銀座裏の月島や豊洲など同様のビル群が林立する大都市の風景となった。これも一極集中と呼ばれることであるが、その再開発の是非は別として、衰退する街もあれば、逆に横丁路地裏に賑わいが生まれることもある。中崎町も見事なぐらい「梅田裏」である。
今回中崎町を選んだのは数年前から大阪の若い世代が古い町並みと共にその路地裏に多くの個性的カフェがあり、「私のお気に入りカフェ」となっていることに興味を持ったからであった。若い世代の隠れ家といっても構わない世界である。30軒とも、40軒以上とも言われているカフェをどう観察したら良いのかわからないので、大阪の友人に案内してもらった。実は数年前から中崎町のカフェ探訪をブログにも公開している友人である。







回遊性の高い地形

写真は最も中崎町らしさを見せている通りと路地である。蛇行した通りに木造家屋、そんな通りや路地裏・路地奥に特徴あるカフェがある。梅田裏とは言え、いまだに古い住宅エリアがあるのは極めて珍しい。しかも、空堀が坂の多い地形であるのに対し、中崎町はほぼ真っ平らな土地で、レトロな町並みに抱かれてカフェ巡りするには格好の環境にあることがわかる。しかも、路地裏が多く隠れ家という探検場所としてもふさわしい場所となっている。東京上野裏の谷根千と比較しても、谷根千は寺町で坂が多く歩きにくい場所である。そして、中崎町の最大特徴は高層ビルやマンションはほとんど視界には無く、あるのは古い住居のみで、しかもそのカフェの密度が極めて高い点にある。つまり、カフェ巡りの楽しさを満喫できる、回遊できる地形にあるということだ。

多様なスタイルのカフェ

中崎町というキーワードで検索すると、ブログなどに見られるカフェには必ずつく表現に「カフェ激戦区」がついている。案内してくれた友人曰く、新しいカフェも出来てはいるが、閉めるカフェも多い。ほとんどが個人事業であることからある意味簡単に個人の思いや趣味でできる業態であるということである。
中崎町を散策していたところ、「ピピネラキッチン」(旧店名GOHAN-YA CAFE Kitchen)という店の名前を見ながら、大阪から初めて「おいしい店リスト」をHP上で公開した佐藤尚之氏(さとなお)の話をしていたところ、ちょうど店をオープンするため来られた店主の方とひとしきり立ち話をした。さとなおのおいしい店リストには中崎町から唯一リストされた店で、ある意味中崎町の歴史を物語っている店である。以前は築90年の古い家を手作りで改装した一軒家料理店で身体にやさしい料理を出す店であった。2000年台半ばからは夜の営業を止め、昼だけのカフェに変えたようにカフェ競争の一翼を担っている店である。








例えば、左の写真は路地奥にある「Zipangu Curry Cafe」。看板や店頭を見る限り、アメリカンPOPのような表情を作っているが、実は「和風カレー」の専門カフェである。価格もほとんどが1000円未満で女性に人気の店となっている。
もう一枚の右の写真は「PLUG」という多国籍料理が楽しめる食堂である。数年前から「食堂」が若い世代にも人気の業態となっているが、このPLUGはニューヨークの食堂をイメージしたオープンキッチンの店である。通りから少し横丁に入ったところにある人気のカフェレストランである。

隠れ家と言えば、路地に入ったところに緑に覆われた一軒家カフェ「天人(アマント)」もてっm系的なカフェであろう。築120年の長屋をリノベーションしたカフェであると言う。「一見さんお断り」とでも表現しているような店であるが、こうした尻込みしたくなるようなカフェに、若い世代は興味を感じるということだ。ちょっと勇気を出して入れば、私だけのお気に入りのカフェということだ。この「天人」は2001年から中崎町を中心に古民家を推進してきた中心カフェとのこと。

友人とここではコーヒーを飲んで談笑したのだが、外国人のカップルが店内を盛んに撮っていたのが印象的で、ああやはり中崎町も訪日外国人の波が押し寄せているなと感じた次第である。

大阪の若い世代にあって最も人気のカフェの一つである「太陽ノ塔」でカフェランチを食べることにした。2002年に路地奥の長屋をリノベーションして誕生したのが「太陽ノ塔」である。リノベーションとは思い通りの造りやカラーでデザインする建物のことだ。JRの高架下手前の狭い路地奥にあることから、それなりに目立つデザインが必要であったのだろう。中に入ると木造家屋らしい佇まいで落ち着いた空間となっていて外観のデザインとのギャップを感じさせるが、若い世代にとってこれも面白いということなのだろう。
食べたランチは雑穀米のご飯に味噌汁。おかずはいくつかあるものの中から3種類選べるもので、サバの味噌煮とサーモンの煮物、それにかぼちゃの煮付け、野菜サラダを選んだ。今や定番となっているヘルシーな「おばんざい」ランチ(税別980円)である。味つも優しいもので、なかなか美味しかった。

個人事業が主となっている中崎町のカフェにあって、「CAFE太陽ノ塔」は15年という時を経て、ケーキなど異なるメニュー業態の店を現在9店舗を構えるように成長している。チェーン業態というより、立地やスタッフの意向を踏まえた個性的な店舗による出店のようだ。ただ、カフェスタイルは変わらない店作りということのようであっる。
今回取り上げたカフェの他にも中崎町にはベトナム料理の店や手作り雑貨の店も数多くあって、若い世代、特に女性にとって町歩きの楽しさを倍加させる人気エリアとなっている。
ところで案内してくれた友人は17軒のカフェを巡りブログに公開しているのだが、当たり外れもかなりあると話してくれた。「まあ、6勝11敗ぐらいかな」とのこと。更に、以前あったカフェがいつの間にかなくなっていたり、新しいカフェもまた生まれている、そんな町であるとも。こうしたカフェの新陳代謝、変化も若い世代の関心を惹きつけている理由の一つになっている。

「レトロな町のカフェパーク」と書いたが、別の表現をするならば、カフェのテーマパークということである。未来塾では「テーマパーク」という考え方を何回か取り上げてきたが、豊かな時代の競争軸になったということでもある。一般的、平均的、横並びでは誰も満足しない時代にいるということだ。中崎町のカフェパークは2000年代初頭から始まり、ほぼ15年を経て一つの「賑わい」を見せる地域となった。やはり特徴ある町づくりには相応の時間が必要であると言うことだ。

中崎町のカフェ観察を後にして梅田茶屋町まで歩いたが見慣れぬ高層ビルが林立し少々驚かされた。その中の高層ビルの一つが大阪工大のキャンパスとなっているとのことで21階の学食「菜の花食堂」まで上がったが、ここの食堂から大阪城を見ることができてなかなかのものであった。学生だけでなく一般客も利用可能で、鮭定食などモーニング(300円) 8:00~10:00、お皿に盛り放題のランチ(700円) 10:30~14:45 となっていて、食い倒れの街大阪らしさのある学食であった。
ちなみに、この大阪工大キャンパスは2017年4月にオープンしたが、受付の方に聞いたところ、小学校跡地の再開発事業であったとのこと。近くのお初天神裏の学校跡地にも数年先には商業施設と住居の複合高層ビルが予定されている。梅田の再開発による高層ビル群と梅田裏中崎町の古民家再生タウンとが都市の一つの「あり方」を示していると言えよう。(後半へ続く)


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タグ :古民家再生

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:17│Comments(0)新市場創造
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