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「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2010年06月03日

ライブな時代 

ヒット商品応援団日記No471(毎週2回更新)  2010.6.3.

先日ツイッターを取り入れたラジオ番組について少し書いたが、いとうせいこう×倉本美津留の「UST名人劇場」もツイッターと連動した番組で、ぶっつけ本番、リハーサル無しのバラエティ番組に注目が集まっている。その背景に何があるかだが、NHKの長寿番組「家族に乾杯」もツイッター的であり、以前ツイッターというメディアの本質を個人の「本音」の話しが可能なメディアとして書いた。現場の声、当事者の声、肉声、たった一人の顧客の声、に耳を傾ける時代になってきたということであろう。そうした意味で、ツイッターという個人放送局が果たす役割は大きい。

つまり、既成情報がいかに現場とかけ離れた声であり、評論家といった部外者の声であったり、テクニックを弄して作られた声であったり、多数顧客の平均値としての声であったということだ。こうした声、情報にリアリティを感じ取れない、どこか嘘の臭いがすると感じ始めている。こうした不確かな時代にあって、生活者は確かさを求め、自らお試し体験したり、目の前で行われる実演で確認したり、気の許せる友人や仲間の本音情報をガイド代わりに購入したり、サービスを受けたりする。店頭は実感劇場であると以前から言われてきたが、その実感とは五感であり、VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)も単なるヴィジュアルを超えた五感で感じ取ってもらうということだ。

以前、渋谷109の代表的専門店であるエゴイスト代表の鬼頭一弥さんを取材したが、カリスマと呼ばれた販売スタッフは1日に何回も着替えモデルとして店頭に立つ。つまり、自らVMD化し、動き、顧客の五感に訴えていると聞いた。つまり、店頭を小さなファッションショーのステージにしたということである。デパ地下やスーパーのお惣菜売り場ばかりでなく、ファッションも、採れたて、もぎたて、作り立てという「動き」による「鮮度」を訴求していくということである。

巣ごもり生活という自己防衛に入って2年間ほど経つ。しかし、ここにきて節約疲れを含め消費欲望が頭をもたげてきたことは間違い無い。まだ身体は巣のなかにあるが、頭を出して外の空気を吸い風景を見始めている。しかし、身体は巣のなかにあり、まだまだ価格意識は強く、その価格合理性に対しては相変わらずシビアである。しかし、その巣のなかの身体に反応してもらうには、五感に訴えるライブ感、本音が感じ取れる肉声が必要であるということだ。

私は好きでライブハウスに良くいくが、同じミュージシャンが同じ曲を演奏しても毎回異なる感動がある。時には音を外したり、異なる編集によるものもある。観客のどよめきや歓声もライブならではの世界である。そして、その時の追体験としてCDやDVDを購入する。ともすると私たちはCDやDVDの売上ばかりを気にしてしまう。しかし、ミュージシャンの原点がライブであるように、本音の交感こそが必要となっている。
つまり、従来のコスト効率、生産性、あるいは過去そうであったことを傍らに置いて、顧客の前に立ち、一生懸命語りかけることだ。そこから「何か」が始まる。創業期、開店当初、スタートに当たって顧客への思いを想起することでもある。茶道には一期一会というおもてなしの心得があるが、この一瞬を何よりも大切にするということだ。過剰な情報が行き交い、それら情報に動かされる時代を突破するには本音しかない。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:39│Comments(0)新市場創造
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