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「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2010年04月04日

Reという発想の転換

ヒット商品応援団日記No455(毎週2回更新)  2010.4.4.

ここ数ヶ月、私のブログにアクセスするキーワードで一番多いのが「未来予測」についてである。未来はわからないということの証左であるが、前回書いた「シニア市場/再び、シニア市場に着眼」についても同様で、わからなかったら原則・基本に立ち帰ることだ。5〜6年ほど前、団塊世代の第二の人生市場について多くのマーケッターが語っており、私も何回かブログに書いてきた。当時論議されていたように、シニア市場は健在である。

先日、はとバスが企画した「昭和の懐メロツアー」に人気が集まり、30分でチケットが完売したと報じられた。過去回帰、歴史回帰は大きな潮流となっていることはこのブログでも指摘してきたが、今昭和歌謡がカラオケを始めシニア世代で大きなブームとなっている。この企画は1日限定であったが、顧客からの強い要請で定期メニューとなった。このはとバスは1990年代後半債務超過で破綻寸前であった会社である。この窮地を救ったのが以前ブログにも書いた宮端社長であったが、この時行ったのが、顧客の本音を聞くということであった。この昭和の懐メロツアーが定期メニューとなったことは、この顧客に聞くという「企業文化」が根付き、継承されているということだ。
話が横道にそれてしまったが、数年前も今もシニア市場だけは元気である。マスコミは注目しないが、このことが基本であることは言うまでもないことだ。

さてその顧客の消費であるが、私が一つの指標としてきた東京ディズニーリゾートの2009年度の来場者数の発表があった。25周年記念を行った2008年度と比較し5.2%減とのこと。しかし、これは昨年度に次ぐ二番目に高い来場者数であり、この巣ごもり消費という不況下しかも新型インフルエンザの流行にも関わらず、りリピーターは足を運んだということだ。
また、この発表に続きJTBからゴールデンウイーク期間の旅行動向の予測が発表された。海外旅行は2009年と比較し4.3%増の50.8万人。そして、欧州方面は6.3%増、上海万博もあって中国方面は12.%増。国内旅行は0.9%増の2150万人の見通しであると発表があった。ここ2年ほどの安近短という旅行傾向から少しづつ以前の旅行へと復調し始めたということだ。

深刻な状態を続けてきた百貨店売上も2月度は前年比5.4%減と昨年11月までの二桁減少から持ち直しつつあるようだ。資産デフレ、消費デフレは相変わらず続いており、消費氷河期的状態から完全に抜け切れたとは言えないが、6月からの子ども手当や高校授業料無料化の実施を考えると少し明るさが戻ってきたと言えよう。
但し、ヒルズ族やセレブといったキーワードが流行った2004年〜2006年頃のミニバブル的消費に戻るということではない。急速に資産デフレから脱却し、新たな雇用も生まれ、賃金も上がるといった劇的な回復に向かうとは誰も考えてはいない。2007年からの3年間、消費も含めて学習し、その上での消費の活性である。

その中で最も顕著に出てきた価値観はキーワード的にいうとReであろう。既にあるものを、再び、生かし切る、復活、復元、再生、再使用、勿体ない、といった価値観である。確か1992年頃であったと記憶しているが、中古車販売台数が新車販売台数を超えて以降、家も家の中にある生活道具も、バッグやアクセサリーに至まで多くのモノが「下取り」や「レンタル」、あるいは「アウトレット」や「わけあり商品」といった方法で生かされてきた。リ・ユース、リ・フォーム、リ・デザイン、リ・バイバル、リ・デュース、勿論リ・サイクルもであるが、このReの世界に多くの知恵やアイディアが創造されてきた。
過疎地の廃校となった小学校をオフィスに転用するといった発想以外に、生ハム製造工場や魚の養殖にも活用されている。都市周辺の工場跡地には野菜工場が作られたり、商店街の空き店舗は保育園になったりしているが、全てのアイディアの根底にはReがある。つまり、Reとは発想の転換ということだ。

こうしたスペース・場以外にも時間という過去・歴史を遡ればリ・バイバルとなり、昨年のヒット商品を見ればいかに多くの商品がヒットしているか分かると思う。はとバスの「昭和の懐メロツアー」もそうであるし、映画「Always三丁目の夕日」以降、大きな潮流となっている。こうした既にある過去や歴史もさることながら、やはり一番Reすべきものは自然である。東京ではこの4月から条例によりCO2削減の義務化と共に、以前ブログにも書いたように排出量取引制度が実施されている。つまり、地方にある自然エネルギーを東京の企業が買うということである。こうした動きに併行し、いわゆるグリーンビジネスが至る所で活性化されてきている。恐らく1年後には屋上緑化、壁面緑化といったことが至る所で見られることであろう。そして、既にある自然を使ったネイチャーウオーキングのような新しい楽しみ方も生まれてくる。
昨年末、2010年を「エコライフ元年」になると予測した。いや予測というより、断言したと言った方が正確であった。エコロジーとは生活そのものであり、そのエコライフの根底には新技術と共にReがある。そして、生活者の視点に立てば、Reを楽しむ時代を迎えたということだ。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:52│Comments(0)新市場創造
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