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「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2008年06月25日

ランキングと格付け

ヒット商品応援団日記No277(毎週2回更新)  2008.6.25.

過剰な情報が行き交う世界にあって、どの情報を信用し使うことが一番目的にかなっているか、見極めることが難しい時代である。こうした中、判断する情報の一つがランキングや格付けだ。企業経営の各種情報から、就職先ブランドランキングや病院の格付け、あるいは好きなタレントランキングに至まで、あらゆる分野でランキングや格付けが行われている。そして、それらは全て情報としてある。情報と現実、情報と実体、これらの乖離が大きくなる時、競争を背景に偽装が生まれる。
このブログでもたびたび取り上げてきた偽装事件の多くは「情報偽装」で、内部告発がなければ今なお情報を信用し食べ続け、使い続けているであろう。偽装情報を食べていると言ってしまうこともできる。そして、ミートホープ社に続き、またしても飛騨牛の等級という格付け偽装疑惑が起きた。

江戸時代にもランキングが盛んで、大相撲の番付から、今でいう長者番付やミスコンのような花魁ランキングなんかも行われていた。ランキングには大きくは2種類あって、スタンダード・アンド・プワーズのような信頼の置ける格付けもなされていた。長者番付なんかの行事のところに「金比羅」とか「春日神社」等と書かれており、寄進先における寄進額のランキングに基づいた長者番付であることがわかるようになっていた。こうした一応格付けの理由を明らかにしたランキングには学者や絵師があった。もう一種類のランキングが趣味や仲間内の洒落で行う遊びとしてのランキングである。「ミシュランガイド東京2008」が発表されたが、周知のように既に「美味しいラーメン100選」とか、「行ってみたい隠れ宿」といった具合に、無数のガイド本やサイトが存在している。

先日、「本屋大賞」についてのTV番組を見て、そうだろうな思った。本好きのために読んでもらいたいと願って創った本屋さんが選んだ「本屋大賞」についてである。面白いことに、本屋さんが選んだランキング1位はそこそこ売れたが、2位以下はあまり売れない結果となったとのこと。しかも、オリコンが調査したところ、こうしたランキングをものさしとした購買層は年間わずか数冊しか買わない顧客であった。いわゆる本好きのリピーター顧客はランキングなど当てにしていないという結果だ。つまり、ランキング情報=話題となっているようだから、取り敢えず一度は読んでみよう、使ってみよう、食べてみようということである。結果、ランキング1位だけに集中することとなる。商品のライフサイクルが短くなった、一過的といわれる理由の一つで、情報消費市場の特徴だ。

それでもマーケッターは1位のみを目指し、多くの投資を行う。本という商品であれば、1冊1500〜2000円といったハードカバーではなく、買いやすい1000円未満の新書判となる。老舗飲食店では、夜の顧客が総体的に少なくなり、昼のランチに格安のメニューを出し、夜の顧客増につなげようとする商売が盛んである。結果、東京ではエリア1位を目指したランチ激戦区となる。話題づくりマーケティング、情報業態ビジネス、これが都市市場の最大特徴である。以前は雑誌などを使った話題づくりのPR投資が中心であったが、昨年あたりからはエニグモに代表されるブログを使った口コミマーケティングが盛んだ。

ところで鬱屈した時代の雰囲気の中、ランキングNO1になるために熾烈な競争を繰り広げる都市市場であるが、同じランキングをするなら洒落っ気たっぷりでユーモア溢れるものが必要と思っている。江戸時代の東京は世界NO1の120万都市でほとんどの人間は地方出身者で占められ、方言が飛び交う一種インターナショナルな都市であった。世界で唯一流れる上水道が整備され、長屋には季節の花々が咲き乱れた文明と文化が共に発展した世界でも類を見ない都市であった。その江戸庶民は勝手にランキングをして楽しんでいた。「うそまこと見立角力」といった、「うそランキング」や「まことランキング」もあった。洒落の極致が「屁(へ)番付」で、「梯子(はしご)屁」というのは梯子を上ったり降りたりするように音階のある屁で、最低ランクには「すか屁」が置かれていたようだ。

ネット上には「勝手広告」ならぬ「勝手ランキング」も盛んである。そのほとんどが直接商品に関わるものばかりであるが、それはそれとして洒落たランキングを見たいものである。例えば、「素人芝居ランキング」のNO1はやはり船場吉兆のささやき女将、NO2は最近話題のお風呂の無い谷本整形外科院長、・・・・センスのない事例で申し訳ないが、くすっと笑えるユーモアのあるランキングサイトがあったら是非御教え願いたい。1万円札を模した入浴剤がヒットする時代である。うそをわかって、チョット笑える。そんな商品が売れる時代だ。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 14:13│Comments(0)新市場創造
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