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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2008年04月09日

共同解決の時代

ヒット商品応援団日記No255(毎週2回更新)  2008.4.9.

前回到来する構造不況に対し、公民ビジネスの可能性について書いた。ある意味で公と民とが垣根を超す大きなビジネステーマである。ちょうど4月7日の日経MJに1月〜3月のヒット商品が掲載されている。キーワードは生活防衛における「代わり消費」で、クリーニング代を節約する消費として、コナカの「シャワーで洗えるスーツ」を例に挙げている。勿論、中国製冷凍餃子事件による安心防衛策として、内食=手作り食の傾向もである。つまり、生活の内側へ、細部へと目が注がれ、見直しが始まっているということだ。

ところで、この4月からメタボ検診が始まった。百貨店を始め多くの流通は生活習慣病対策として商品コーナーを設け、商品展示を行っている。厚生労働省による医療費抑制の意図によるものであるが、ここではその検診義務化の是非については触れない。生活者の反応はどうかというと、スポーツジムにあるようなエアロバイクといった大型機器ではなく、万歩計といった安価で小さな自己防衛商品に注目が集まっている。(このブログは昨日書いたのだが、4月9日の日経MJによると3月の売上は昨年比1.55倍とのこと)つまり、本格的なエクササイズではなく、日々歩いて内蔵脂肪を燃やそうということだ。

発泡酒も昨年から糖質0ビールを始め、カロリーオフビールが相次いで導入された。これら商品もビール市場全体を押し上げる商品ではなく、日経MJのキーワードではないが、従来の発泡酒の「代わり消費」ビールとしてである。マヨネーズしかり、ベーグルしかりである。いずれにせよ、今までの「過剰」であったカロリーを削ぎ落とし、あるいは「代わる」商品をもってメタボ対策とする生活だ。飲料でいうと、好きなものを食べる欲求はそのままにして、脂肪吸収を抑えるといった発想、サントリーの黒烏龍茶のような商品はこれからも出てくると思う。

数年前から、プレミアムマーケティング戦略が様々な市場で導入された。特定市場に対する特別な商品やサービスの提供というマーケティングである。その多くは富裕層向けの商品やサービスで、昔から百貨店の外商顧客が代表するように今も存在している。こうしたプレミアムマーケットをある意味でマスプロダクト化させたのが、サッポロのエビスビールというロングセラー商品であった。数年前には、ネーミングだけの「プレミアム」商品が横行したが、その程度の商品は既に市場から退場している。本当のプレミアム、特別といった商品の多くは「コレクターズ・マーケット」、あるいはリピーター市場の「お取り寄せマーケット」に見られるだけである。

マスプロダクト化するヒット商品は年を経る毎に少なくなっていく。多様化、個性化という言葉で言ってしまえばそれで終わってしまうが、不況の時代にあって更にその傾向は強まる。また、隙き間マーケットというキーワードもあるが、ヒット商品のほとんどが隙き間的商品である。規模からいうと、そのほんどは小型ヒットと言えよう。つまり、新たな消費価値を探している踊り場にあって、従来から言われてきた少量生産少量販売が更に「小単位」へと進んでいく。

小単位化による経営はコラボレーションを加速させていくこととなる。伊勢丹と三越を例に挙げるまでもなく、共同仕入れから始まり、売り場の共有、テーマの共有(共同販促等)、場合によっては人材や顧客の共有。つまり、持っている資源をどれだけ最大化させることができるかが、経営の主要課題となっている。あるいは、顧客・消費者とネットワークを組み、オーダーされたものだけを作り、届けるといった相互に無駄を省く経営だ。売れない商品を店頭に置いておくことは最大の経営ロスであり、生活者にとっても意味あることではない。作り手も、届ける流通も、そして生活者も、価格という経済合理性の追求は不可欠であり、そうした課題を共同で解決する時代だ。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:44│Comments(0)新市場創造
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