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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2007年12月05日

2007年ヒット商品を読み解く(1)       

ヒット商品応援団日記No224(毎週2回更新)  2007.12.5.

12/3の日経MJで恒例の2007年ヒット商品番付が発表されたので私なりに読み解いてみたいと思う。東西の横綱には「Wii」と「電子マネー」で多くの人が認めるところの商品である。大関には顔を「自動的に認識する技術」と「ハイビジョンビデオカメラ」、関脇には「デカ盛り(ガツン系)フード」と新しいランドマークが生まれた「TOKYO」、小結以下には「YOUTUBE」、ソフトバンクの「ホワイトプラン」等。
日経MJも下半期は原油高等による景気の低迷を若干指摘しているが、ヒット商品の多くは価格戦略を中心に据えたことによるものが多い。番付に入っているヒット商品には新価格(新しい考え方に基づく価格戦略)によるものが多い。「デカ盛りフード(ガツン系)」、ソフトバンクの「ホワイトプラン」、マクドナルドを始めとした「地域価格」、GMSを始めとした「価格据え置きセール」、エコロジーをもったいない精神の発露とするならば「マイ箸」や「エコバッグ」も単に安いということだけではない新しい価格価値認識によるものだ。

従来の価格認識は1990年代後半のデフレの旗手と呼ばれたマクドナルドやユニクロのような「抜きん出た安い価格」であった。しかし、今日の価格はその「抜きん出た安い価格」を超えた新しい価格であると言えよう。今、多くの分野で値上げが進行しているが、誰もインフレとは呼ばない。従来のインフレであれば、値上げ分の多くは国内のメーカーや流通の誰かがその利益を得ることができ、最終的にはそこに働く人達の収入へと還元され、循環してきた。しかし、今日の値上げの多くはエネルギー資源国等の他の国へと吸収されていき、国内に還流することは少ない。経済のグローバル化とはこういうことである。

今年の春、東京ミッドタウンや新丸ビルのオープンに際し、東京はTOKYOとなったと指摘した通り関脇に番付された。これは世界中の人、モノ、金、情報やサービスが地球都市TOKYOに集積された象徴としてある。東京市場は地球市場という側面を持つと同時に、私は都市と地方との格差どころではないもっと大きな格差のあるまだら模様の市場との指摘をした。東京(TOKYO)は、誰を顧客とするのか、価格や流通、エリアや立地の選択が極めて重要な時代であり、極めて難しい市場ということだ。

また、この1〜2年ヒット商品の着眼をブログで書いて来たが、そのほとんが番付対象となっているので詳しくは私のブログを見ていただきたい。例えば、番付では「ニッサンGT-R」をリバイバル商品とキーワード化しているが、私のキーワードは「思い出消費」として、団塊世代だけでなく、若いティーン世代にとっても同様で、それは「冷凍みかん」や「揚げパン」人気となって表れていると指摘をした。この10年、先が見えない停滞した時代の傾向を「踊り場」にいると表現したが、こうした踊り場から過去を振り返る思い出消費はこれからも続くであろう。「2007年新語・流行語大賞」に選ばれた「どげんかせんといかん」時代の直中にいる。

もう一つ時代の傾向、踊り場から脱却する表現が強く出た年である。ファッションにおいては数年前から黒がトレンドカラーの一つになっていたが、2007年には航空機から始まりショップデザインの多くが黒を基調としたものとなっている。商品では黒い歯磨き粉、黒いカレーパン、黒い生八つ橋、黒いおいなりさん、他にも無数の「黒商品」が店頭へと出現した。その意味するところの世界は、シック、大人の色、深みや奥行き、こうした言葉で表現されるが、黒は全てを覆い尽くす強い色であり、停滞する踊り場を突破する「どげんかせんといかん」時代の色なのかもしれない。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:42│Comments(0)新市場創造
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