さぽろぐ

ビジネス  |札幌市中央区

ログインヘルプ


インフォメーション


QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

2006年09月10日

「知の旅」観光政策 

ヒット商品応援団日記No97(毎週2回更新)  2006.9,10,

東京でも京都でも路地裏ブームが続いている。大通りから中通へ、裏通り、横丁へ、路地裏へと「未知なる世界」を求めて多くの人の足は向かっている。従来の観光概念が大きく変わろうとしている。名所旧跡、風光明媚な自然、といった観光は既に一巡し、知的な楽習旅行の時代が始まっている。以前、中沢新一さんが書かれた「アースダイバー」にふれて、”1万年単位で遡る「野生の思考」にヒントとなる視座を感じた”と書いた。中沢新一さんのように、縄文時代の地図をもって、東京の地下に眠る野生を探索する人はまだまだ少ないと思うが、例えば「東京の坂巡り」や「神社巡り」は始まっている。いわゆる「散歩ブーム」であるが、外見上は散歩に見えるが、中身はと言えば「知の遊び」「知の冒険」である。TBSの番組で977回を数える「世界ふしぎ発見」という長寿番組があるが、まあ小さなふしぎ発見の旅と考えてもよいかもしれない。以前、このブログでANAの「旅割」という時間帯による割安料金について書いたが、旧国鉄時代からのロングセラーきっぷ「青春18きっぷ」も「小さなふしぎ発見」の旅に活用されると思う。この「青春18きっぷ」は期間が決まっており、その期間中は特定路線が混雑するといわれているが、団塊世代が一斉に第二の人生を歩む2007年以降はこうした混雑は「日常」となる。

さて、こうした大観光時代を向かえることとなるが、課題は受けて側が「世界ふしぎ発見」ではないが、「ミステリーハンター」というガイド役を果たせるかどうかである。勿論、旅人が求める知的興味は何か、ということでもある。最近は大分湯布院のガイド役として、シニアの人たちがボランティアとして活動していると聞く。これも一つの方法である。一番重要なことは、都市生活者が「ふしぎ」と感じることは何かということである。地域起こしには「バカもの」「ワカもの」「ヨソもの」の三者が必要であるが、「ヨソもの」による「ふしぎ物語」が必要であると思う。地元の人にとっては、当たり前のことであっても、旅人にとっては驚きに満ちたものが沢山あるのだ。興味は想像をはたらかせる入り口であり、知的興味心は次から次へと増大していく。ふしきはふしぎを呼び、勝手に謎解きは始まる。例えば、TBSの「まんが日本昔ばなし」が再放送されているが、物語のコンテンツをこうした番組と連動させる方法もある。口から口へと伝承され今日に至るには、それなりに「ふしぎ」が深いということである。おそらく、以前であれば書籍メディアが謎解きのナビゲーターになって、追体験するような旅が生まれるのであろうが、これからはブログによる「謎解きの旅」が生まれると思っている。同じテーマのブロガーがリンクしあい、謎解きを進めていくような時代になる。以前、団塊世代の旅のところでも書いたが、「桜前線を追いかける旅」なんかも、全国各地の桜の開花状況をブログで公開し合いながら互いに旅を楽しむことになる。

ところで私が書いているブログは近代化によって失ってしまったものの回復、取り戻しというメガトレンドが背景としてあることに気づかれていると思う。これは私の持論であるが、近代化によって失った自然・健康、歴史・文化、家族・絆、という3つの取り戻しが始まっている。「知の旅」コンテンツもこうした「取り戻しの旅」となる。ただ「知の旅」という知的興味は常に進化、深化することから、自然・健康は「野生」「原始」「生命」へと志向するであろうし、歴史・文化は「源流」「誕生」「民俗」へ、家族・絆は「血縁」「共同体」「コミュニティ」へと興味は深まっていくと思う。例えば、従来のような美しい自然観光から、自然のもつ荒々しさと原始の美しさを体感する野生観光へと。沖縄でいうと、沖縄本島の海浜リゾートから、波照間諸島や屋久島のような離島への観光となる。大通り観光から路地裏観光への進化・深化と同じである。ところで、こうした自然・健康、歴史・文化、家族・絆の3つひっくるめると「生活」そのものである。私はこうした生活が日常として残っている代表が京都であると考えている。昨年12月京都新聞の依頼で記事を書いたが、課題は「京都ふしぎ物語」であり、そのミステリーハンター役である。生活とは、過去や環境によってつくられた「今」であり、その裏側には意識するとしないとに関わらず、人生観や生命観、家族観、労働観・・・・多くの価値観によって結果として集約され表現されたものである。豊かな時代とは、モノ充足を終えて、こうした価値観を考えたり体験したりして生活の中にとりいれていく精神的生活のことである。つまり、失われたものを求めるとは、埋もれた見過ごしてきた生活を取り入れてみようとすることであり、今言われている「和」ブームの本質はここにある。こうした生活観(感)を探り、楽習する旅を私は「知の旅」と呼んだ。今、「旅」に求められているのは、この「知」を刺激する情報、仮説としての「ふしぎ物語」の発見である。全国のテーマとなっている地域活性とは、「知」の活性、ふしぎ発見に他ならない。(続く)「知の旅」観光政策 

あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(新市場創造)の記事画像
マーケティングノート(2)後半
マーケティングノート(2)
2023年ヒット商品版付を読み解く 
マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」後半  
マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」前半
春雑感  
同じカテゴリー(新市場創造)の記事
 マーケティングノート(2)後半 (2024-04-07 13:03)
 マーケティングノート(2) (2024-04-03 13:47)
 2023年ヒット商品版付を読み解く  (2023-12-23 13:34)
 マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」後半   (2023-07-05 13:21)
 マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」前半 (2023-07-02 14:15)
 春雑感   (2023-03-19 13:29)

Posted by ヒット商品応援団 at 14:04│Comments(0)新市場創造
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
「知の旅」観光政策 
    コメント(0)