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「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。

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2008年02月27日

物語創作者         

ヒット商品応援団日記No243(毎週2回更新)  2008.2.27.

ここ数週間いくつかの案件を抱えていたのでブログの更新が遅れていた。今回はその案件の一つである沖縄のコト起こしの人達について書いてみたい。
物語消費についてはたびたび触れてきたが、ロラン・バルトの記号論を持ち出すまでもなく、物語創作者は従来の読者・受け手である我々自身が作者に取って代わった。インターネット、ブログはまさにそうした世界であり、個人放送局の時代である。このブログを通じて会話をするようになった沖縄糸満に住む二人の主婦のネットワークによる小さな勉強会を行ってきた。小さなコト起こしを始めた、あるいはこれから起こそうという人達との勉強会である。私にとっての興味はどんな物語創作を行おうとしているのか、物語の創作現場を実感してみたいことにあった。

集まったメンバーは年齢・職種・経歴・育った環境まさにバラバラであるが、共通していることは「自ら創作者を目指したい」という強い思いである。思いは個別であり、会話のやり取りによってしか「次」へと進めないので、小さな単位の塾として行った。私は常に「あなたのお客さまは誰ですか」という顧客論から始めることにしているのだが、沖縄も少しずつ変わってきたなというのが実感であった。塾の開催場所は沖縄の人達ですら保守的で閉鎖的だと言われている糸満公設市場のカフェである。時間が止まり、一種淀んだ空気を感じさせるディープな場所である。この公設市場にも観光客が来るようになってきている。リゾートホテルと国際通りを点で結んだ表通り観光、名所旧跡的観光から、路地裏観光、そこに住む人達の生活文化観光という変化の波が糸満にも訪れようとしている。

もう一人沖縄で会いたかった人物がゴザで音楽観光というコト起こしを始めたメンバーの一人であるMr.スティービーである。周知の北谷町での米軍兵士による少女暴行事件、兵士の外出禁止令、ライブハウスを始めとした商店街は閑散とし、更にシャッター通化しているとマスメディアからの報道。どんな現実を受け止めているのか、Mr.スティービーに直接訊きたかったからである。船上ライブの合間に、時間を作ってくれて、「コザの今」を話してくれた。
確かにまたしても少女暴行事件は起きた、しかしとMr.スティービーは言う。コザの音楽観光、ライブハウスのはしごツアーに真似て、ゲート通りの横丁・中の町のバーやクラブでもはしご酒プロモーションを始めたと言う。そして、はしご酒ツアーを終える朝、街をキレイにとの思いから店のスタッフは中の町の通りを掃除して帰る。ライブハウスのはしごツアーのメニューもロックミュージックだけでなく、三線ライブやOldies等チャンプルー文化を体験できるツアーメニューを検討している。また、BEGINや森山良子の歌で知られている「涙そうそう」の映画の舞台となった撮影現場観光もメニューに入っているという。マスメディア報道とは異なるもう一つの物語、少しずつコザも変化し始めているということだ。

今回久しぶりに国際通りの周辺をていねいに歩いてみた。通りは相変わらずの金太郎飴のようなお土産屋ばかりでつまらない通りであるが、いくつか新しい発見をした。一昨年位から東京でもTVや雑誌で取り上げられてきた沖縄産の塩である。その代表的な塩が「ぬちまーす」で、ぬち(命)・まーす(塩)とネーミングされたミネラル分が豊富な塩である。この「ぬちまーす」に続く塩が「雪塩」で、このメーカーが平和通りに「塩屋」(http://www.ma-suya.com)という塩専門店を今年の1月にオープンさせた。沖縄の塩と共に世界の塩を集めた専門店であるが、「合わせ塩」という塩のブレンドサービスを行っている点が特徴的だ。当たり前といえばそうであるが、沖縄は海に囲まれた島であり、長寿の食を支えてきたのが塩である。私の持論である「素(もと)食」につながる原点への着目だ。
また、沖縄に行けば必ず立ち寄る雑穀専門店がある。例年だと年末には売り切れてしまう宮古島特産の「黒あずき」が店頭に並んでいた。聞くと地元の人の要望もあり、倍の仕入れをしたのでまだ在庫はありますという。

勉強会に参加した夫婦と幼子3人で始めた「みん宿ヤポネシア」(http://www.yaponesia.com/)の福永君は『今回、ヤポネシアの「物語」を表していく、「思い」を形にしていくと いう課題があらわになりました』とメールをいただいた。また、Mr.スティービーは私との会話で本名は伏せてくださいと言い「夢を売る商売ですので」とコザへの夢を重ねて話す。一人ひとりが、思いや夢を形にしていく物語創作が始まっている。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 14:04Comments(0)新市場創造